多趣味・マツキヨの落書き帳

2013年(平成25年/皇紀2673年)1月、タイトル含めて大幅刷新いたしました。 現在、ダイエー店舗訪問記録/映画鑑賞記/即席麺試食記/ラーメン店訪問記がメイン記事となっております。画像/引用/リンク等は、ご随意に。

公開初日

2017.4.21 実写化の限界を悟る 「美女と野獣」を深掘る

一回しか見ていないのに深掘るのも危険といえば危険である。
だが今回当方が深掘るのは「内容」ではない。「アニメーション映画の実写化」に関してだけのことである。

日本のみならず、ハリウッドで実写化される日本製のアニメーションは、ここ最近増えてきた印象がある。龍玉、速度レーサー、そして絶賛上映中のGITS(攻殻機動隊)。日本ならガッチャ男、悪魔男、寄生獣、ルパン、進撃(ある意味"新劇"でもいいかと)、テラwwwwww

そのことによって、作品の良さを再確認してもらい、相乗効果を狙う部分もあったりする。
だが、それもこれも、原作/原典であるアニメーションから大きく逸脱しない、独自の解釈をしない、再現するなら忠実に、と言ったことがあって初めて、評価するに値するかが決まる。
そして、2Dアニメーション/漫画と実写では、「生身の人間の役には没入しづらい」という点と、「どうしても同じには描けない」点が発生してしまう。

今回の「美女と野獣」でも、アニメーション版で見せた、美麗で、それこそ360度あちらこちらから、超ドアップもあり、大きく引いたりというジェットコースターばりのカメラワークがあればこそ、円舞シーンは見るものを恍惚とさせる。だが、実写版は、むしろ生身の演技で勝負したかのような通り一辺、ありきたりの映像に終始した。
つまり、希代の名シーンが再現されなかったのだ。ぶっちゃけると、監督氏は、ここだけは実写、特殊効果を取り入れず勝負に出たと考えているわけで、そのこと自体は意欲的ではあるが、前作を越えうる感動を醸し出したとは到底言えない。

アニメーション映画の演出の中で、屈指、いや3本の指に入るといってもいいあのシーンが案外に終わる。それも中盤。その直前の、ドレスに装飾が施されていき、ベルがこれ以上ないほど引き立つ場面に感動し、ほろりと来たにもかかわらず、全体的に暗めの光彩もアゲインストに働いたとみる(最終盤で見せる光輝くシーンのためとも思いたいが、ここはもっともっと明るく満艦飾でやってほしかった) 。

そう。御大・ディズニーですら、あのシーンを再現できない。どこに原因があるのかは批評待ちの部分もあるが、やはりアニメーションの実写化は地雷なのか、と思わずにはいられない。
ただ救いは、光る一手は結構確認でき、それが女性陣のハートを揺さぶったであろうことだ。

どちらでもヒットできる素養があるディズニーですら、この程度でしか表現できない。もちろん特殊効果にあえて頼らず、生身で勝負した監督氏のチャレンジはむしろ賛辞を送りたい。だが、完全リメイクを標榜していて、あのザマでは、ちょっと違うんじゃね?となるのはしかたない。
もう一本書いていきます。

2017.4.21 素晴らしすぎる 脱縄第二弾 「美女と野獣」鑑賞記

「君の名は。」をよもやの20回オーバー。今までのアニメーション映画なら、一度見てスクリーンから離れ、話題作が出るまでその前に座ることはしなかった。
ところが、である。ほぼ毎週のように劇場に訪れることで、いやがうえにも目に入る予告編が、私に「映画の世界」の奥深さを伝えるようになってきた。
洋画系で「こいつぁ面白そう」「観なくては」と思える作品が目白押しなのである。ちなみに下手すると今まで一度も劇場では観ていない「ワイルドスピード」の新作も少しだけ触手が動いたりしている。

基本的に「君の名は。」の感動を打ち消すような作品とは出会いたくない。だが、それでも見なくてはならないラブストーリー、それが今回観た「美女と野獣」である。
不朽の名作、CG初体験と言ってもいいディズニーの意欲作、そして何より、ミュージカル進行を不動のものにし、あの円舞シーンでCGの可能性を存分に見せつけた功績というものは、現代に続くアメリカ産アニメーションの「第二の創業」と言っても過言ではない。ちなみに幾たびも映画化されている作品であり、大ヒットしたアニメーション版が91年製、それ以降にもオーストラリア/フランスで実写で映画化されている。→WIKIの記述はこちら

向かった先は西宮OS。そう、奇しくも「君の名は。」の初見劇場だ。そして、今回の鑑賞で、「公開初日に鑑賞」という記録を樹立する。いままでは、公開直後というタイミングで観るというスケジュールで動かなかったからでもある。
18:30のスクリーン1はそういうわけで売り切れ間近の表示が出るほどの入れ込み(9割程度の入り)。劇場内は、ものの見事に男性陣アゲインスト。入ってくるのは最低二人の女性ペア。直前になると、女子高校生らしい集団もどやどやと入ったりして、本当に男性陣は肩身が狭い。男女比は大げさでなく5:1でもいいくらい。ソロ2割/ペア5割強/カップル・夫婦3割と言った感じ。日本在住の欧米人も家族連れやペアで1割弱鑑賞していた。
さて、早速採点。あれ?結論早ければ外れの部類か?ファーストインプレッションは90点とした。

意外に低め?ィェィェ。充分エンターテイメントしている。感動するところもしっかり描かれているし、ラストの"奇跡"も無理矢理感はない。ただ、難点は「長い」。130分の映画とは思わなかった。
序盤や、城襲撃の下りは、説明しすぎ。曲で間延びを抑えたつもりだろうが、開始早々ミュージカル進行とは…導入の色彩の使い方も派手すぎ、主人公が引き立たない。そもそも「変な少女」という印象付けにメリットを感じない。
幽閉されるベル。だが、二人の間に変化が訪れる当たりに、野獣に表情を与えたり、険しい目付きを抑えたりと、人間性を取り戻しつつあることをわからせる演出はうまいの一言。
そして、あの円舞シーン。だが、不覚にも、ベルのドレスに装飾がなされて行く過程で、ポロッと。だが、やはりオリジナルは越えられないのだろうか、大胆なカメラワークもなく、それほど感動しなかった。

ストーリーは確かに大団円。最後にみんなでダンスしてハッピーエンド。ベル家の愛馬・フィリップの功績はもっと評価されるべき。そして、笑いがあまりに少ないところも減点された部分だ。
もっともっと愛情表現があっても臭いとは感じさせないところが、ディズニーを含めた欧米映画の特長。アニメだとあまり違和感なかった野獣の妙にリアルな感じがむしろマイナスに働いたと言えなくもない。
文句ばっかりに聞こえるが、できて当たり前のリメイク/それも本家。加点より減点に目が向くのも無理からぬところだ。
映画・映像としては一級品。今やあの程度のCG・VFX・特殊効果なんかできないでどうするレベルだ。ここに日本のアニメ実写版との差異を見出す。
次作で少し掘り下げてみる。(続く)


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