今のところ、正式な視聴率情報を入手していない状況で書いているのだが、今回の大河には並々ならぬ”大物感”が漂っている。
みんな大好き・戦国時代。あまたいる武将の中でも、とりわけ猛勇と称される、真田幸村(信繁)の半生に迫ろうというのだから、よっぽど、演出や脚本に破綻を期さない限り、外れる要素が見当たらない。それでなくても、「歴女」の中でも、1.2を争う名将が軸。いわゆる歴史の表舞台の武将たちとの確執も描かれるのは必至で、期待も高まる。
そんなわけで、初回をほぼかじりつきで見させてもらったわけだが、後半/エンディングはともかくとして、なかなかにいい感じの、そして次を期待させるものになっている。
特筆すべきは、いきなり『青年期の幸村』からスタートしているところにある。
これまでの人物伝的な大河の場合、例外なく幼少期からスタートしている。それは、伝承として残っているという事実もさることながら、「子どものころから大物感漂っていたんですよ」ということが言いたげな原作者の思いも反映しているとみる。「梵天丸もかくありたい」と、子役に言わしめた「独眼竜正宗」(主演は、今やハリウッド俳優の渡辺謙)をはじめ、始まって数回は、視聴者にとってはどうでもいい情報を知らされることになり、ここで視聴者が離れることもあった。
ところが今回は、青年期、しかも武田滅亡寸前のところからのスタート。戦国時代真っただ中にある現状から物語を始めることで、緊迫感の増すストーリー建てとしたのだ。中身がいやがうえにでも濃くできるうえ、視聴者をすぐさまその世界観に放り込む。導入こそ、ドラマの本質と言えるし、以後見続けられるかどうかの試金石でもあるがゆえに、そこを分かっている三谷氏ならではの”作戦”と言ってもいい。
緊張と弛緩が場を支配するところもいい。兄弟でもう対戦できないからといって、将棋盤で「山崩し」に興じるシーンも、結果的に笑いを誘いながら、兄弟のきずなや、知力/胆力の優劣を見せることに成功。御姫様気取りの母親のステレオタイプ的な書かれ方や、武将の娘的な書かれ方の姉など、キャラクターが全員立っているところも特筆すべきところである。
ストーリーは、浮足立ち、離反が相次ぎ、崩壊寸前にまで追いやられた武田一族がどう動き、それに翻弄される形の真田家の行く末も気になるように仕立てて終了としている。また、タイトルはどうやら漢字二文字で統一しようとしているとみられ、ここも非常に注目の一点である。
みんな大好き・戦国時代。あまたいる武将の中でも、とりわけ猛勇と称される、真田幸村(信繁)の半生に迫ろうというのだから、よっぽど、演出や脚本に破綻を期さない限り、外れる要素が見当たらない。それでなくても、「歴女」の中でも、1.2を争う名将が軸。いわゆる歴史の表舞台の武将たちとの確執も描かれるのは必至で、期待も高まる。
そんなわけで、初回をほぼかじりつきで見させてもらったわけだが、後半/エンディングはともかくとして、なかなかにいい感じの、そして次を期待させるものになっている。
特筆すべきは、いきなり『青年期の幸村』からスタートしているところにある。
これまでの人物伝的な大河の場合、例外なく幼少期からスタートしている。それは、伝承として残っているという事実もさることながら、「子どものころから大物感漂っていたんですよ」ということが言いたげな原作者の思いも反映しているとみる。「梵天丸もかくありたい」と、子役に言わしめた「独眼竜正宗」(主演は、今やハリウッド俳優の渡辺謙)をはじめ、始まって数回は、視聴者にとってはどうでもいい情報を知らされることになり、ここで視聴者が離れることもあった。
ところが今回は、青年期、しかも武田滅亡寸前のところからのスタート。戦国時代真っただ中にある現状から物語を始めることで、緊迫感の増すストーリー建てとしたのだ。中身がいやがうえにでも濃くできるうえ、視聴者をすぐさまその世界観に放り込む。導入こそ、ドラマの本質と言えるし、以後見続けられるかどうかの試金石でもあるがゆえに、そこを分かっている三谷氏ならではの”作戦”と言ってもいい。
緊張と弛緩が場を支配するところもいい。兄弟でもう対戦できないからといって、将棋盤で「山崩し」に興じるシーンも、結果的に笑いを誘いながら、兄弟のきずなや、知力/胆力の優劣を見せることに成功。御姫様気取りの母親のステレオタイプ的な書かれ方や、武将の娘的な書かれ方の姉など、キャラクターが全員立っているところも特筆すべきところである。
ストーリーは、浮足立ち、離反が相次ぎ、崩壊寸前にまで追いやられた武田一族がどう動き、それに翻弄される形の真田家の行く末も気になるように仕立てて終了としている。また、タイトルはどうやら漢字二文字で統一しようとしているとみられ、ここも非常に注目の一点である。