実は、この記事を書く気になったのは、「2社目のお亡くなり」が判明したからである。

まず端緒となった弱小メーカーは、はっきり言って稼働も設置もほとんどなかったと思われ、私の中でもほぼ誤差の範囲だった。
ところが、ほぼパチンコ専業にして、玄人好みする台を出していたマルホンが先ごろ民事再生。
帝国データバンクより
そして、二社目に名を連ねてしまったのが、奥村遊機である。
同じく帝国データバンクより。マルホンと違い『自己破産』なので、病状はかなり悪化していたとみる。

奥村という名前を聞くと、私の中では、現金機でもあり、波荒のCR機でもあった「ヤジキタ」を思い出さずにはいられない。あのカニ爪のようなスタートチャッカーは、確変時には何個玉を拾ったことか…。小さいブラウン管時代ではあったが、味のある(今が毒々しすぎて簡素に見えるだけかww)リーチアクションも今は昔である。
当方が店舗勤務していた頃に出した、「CRうる星」で一躍ヒットメーカーの仲間入り。しかし、そのあとが鳴かず飛ばず、で、今回の措置になったものと考えられる。

さて今回、中小とはいえ、メーカーの破たんが相次いでしまったことは、そのまま、業界が左前になりつつあることの証左である。なんとなれば、店があれば、少なくとも台は売れていくはずである。そのお店の数が最盛期より4割近くも減少(wikiによれば、95年の17631店→2012年の11178店で、37%減)=設置台もそれ相応に減っていることがいえる。しかも、遊戯客数も半減に近い状態。これでは客に還元したくてもできない状態にならざるを得ないわけであり、勢い小さくなったパイの奪い合いになっている状況に変わりはない。
となると、どうしても、販売余力のあるメーカーや、ヒットシリーズで食いつなげているメーカーのものを客付けのために入れたくなるのは店の心理でもあり、結果的に寡占化が進んでしまうことにもつながる。

正直言って、今の日本にパチメーカーは多すぎる。実際、私が店舗を回って感じるのは、この先生き残れるのは10社に満たないだろうな、というところである(スロ専業も含めて、台メーカーだけで30社近くある)。老舗と言われた、奥村までも倒れてしまう現実。大手と言えども安閑としていられない冬の時代、いや、氷河期がパチメーカーに訪れたとみる。