多趣味・マツキヨの落書き帳

2013年(平成25年/皇紀2673年)1月、タイトル含めて大幅刷新いたしました。 現在、ダイエー店舗訪問記録/映画鑑賞記/即席麺試食記/ラーメン店訪問記がメイン記事となっております。画像/引用/リンク等は、ご随意に。

実写

2022.4.1 作ったことは認める。「映画おそ松さん」鑑賞記

ハズレだと認識してみる映画って、意外と足取りが重いのだが、「おそ松さん」の実写映画に関して言えば、「この企画はよくぞ通りましたな」という意味合いの方が大きい。
だって、現実世界に6つ子はいても、芸能人ではいないし、全員CGで顔を似せてやることも当の本人の印象も変わってしまうからNG。そもそもグループを主人公に仕立てるなら、6人以上いないと作成不可能……、って、あっ「SnowMan」が居るやん、という流れからの作品であるように思っている。
当然中身なんかを期待はしていない。「見れればいい」のだから、サービスデー鑑賞になるのは必然だった。
公開初期・二週目の金曜日ということで、一定のリピーター層と思われる女性ペアなども散見されるが、30名足らず。見終わった今だから言うけど、本当にSnowMan推しでないと、中身はなかなかつらいものがある。

序盤で「遅刻だぁ―」というけど、パチ屋開店一番乗りを逃しただけであり、もはや死語になりつつあるニートで6人を養える両親の資産はいかほどか、を想定してしまう。
資産家の養子に名乗りを上げたいと各人孤軍奮闘するんだけど話が収拾付かなくなっていく。そこへ現れた「物語終わらせ師」。そもそも6つ子の彼らがまともな方向に向かうはずがないうえにサブキャラのループ属性とか、なんとか。とはいうものの、ぶっ飛んだ脚本が最終的に大団円を迎えることはなく、ドリフよろしく本社ビルをぶっ壊して全員が正気に戻っておしまい。何かをもって帰れる類の作品ではないと思いつつも、畳み切れていない広げ過ぎた設定の数々はもう少し削ってくれてもよかったのに、と思う。
監督自身が製作に関わった「賭ケグルイ」のオマージュシーンは映画ファンには眼福もの(観てないとちんぷんかんぷんなんだけどね)。ところどころにこうした小ネタも挟んであるので、飽きることはそれほどない。
時空をいじったり、最終的に社長をハタ坊に代える歴史改変をやってみたり。チビ太・トト子・イヤミに状況説明をさせるレベルの、このストーリーを文章化したときに必ず見えてくるほころびを覆い隠そうともしない開き直り加減は、逆に天晴でもある。
加点に至る部分がないので、どうしても80点を越えることはない。ファーストは65点にしたが、50点に大幅修正。当然本年鑑賞最下位に据える。
「あとしまつ」は、脇筋ともいえる閣僚会議のばかばかしさがスポイルしたものであり、真っ当な部分もあったからまだ耐えられた。本作は……どうも……
ツイッターでも書いたんだけど、加藤諒さん。あれでギャラもらうの、ずるくないっすか?

2Dと3Dで評価が分かれるキャラ

「美女と野獣」がらみの記事はこれでおわりにしたい。
実は気になっている記述がある。→前田有一氏の「美女と野獣」評

生々しい、という書き方に興味を覚えたのだ。実際、野獣の特殊メイクは恐ろしく手間隙かかっているだろうし、意外に暗めのシーンも多く、それが怖さを増幅させる。
ところが、アニメーションの野獣は、どことなく憎めないキャラデザである。ベルがそこそこ美形に描かれていることもあるが、それを邪魔しないレベルにしてある。

2Dと3Dで物議を醸したといえば、このキャラが思い出される。
ここでこのキャラが出てくることを想定できたならなかなかのものwwwww

登場当初は、嫌悪感を感じさせる平面図案だったのだが、いざ着ぐるみになると、その愛くるしい動作にキレのある動きで一気にゆるキャラのスターダムに乗ることができた。

この意外性には当方もしてやられた。最近でこそゆるキャラばやりではあるが、この図案が発表された当初、全マスコミが異端のものという方向性を持って攻撃に転じていた。少なくとも好意的に報じていたところは皆無だった。
ところが、3Dの着ぐるみの動きで状況は一転。「かわいい」という声に押される形でネガティブ報道はフェードアウトしていく。

今回、思ったほど興行収入が伸びていない「美女と野獣」。あまりに野獣を再現しようとするあまり、やりすぎた可能性はあると思っている。
ちなみにYahoo!の映画レビューでも、当方が指摘した部分(円舞シーン)の物足りなさを指摘する投稿が散見されている。やはり、アニメーションの出来の凄さを見知っているものからすれば、生身で勝負したものの、ほとんど特殊効果・カメラ回しもなしでやってしまったのは若干の評価減点ポイントとなったのは間違いない。

2017.4.21 実写化の限界を悟る 「美女と野獣」を深掘る

一回しか見ていないのに深掘るのも危険といえば危険である。
だが今回当方が深掘るのは「内容」ではない。「アニメーション映画の実写化」に関してだけのことである。

日本のみならず、ハリウッドで実写化される日本製のアニメーションは、ここ最近増えてきた印象がある。龍玉、速度レーサー、そして絶賛上映中のGITS(攻殻機動隊)。日本ならガッチャ男、悪魔男、寄生獣、ルパン、進撃(ある意味"新劇"でもいいかと)、テラwwwwww

そのことによって、作品の良さを再確認してもらい、相乗効果を狙う部分もあったりする。
だが、それもこれも、原作/原典であるアニメーションから大きく逸脱しない、独自の解釈をしない、再現するなら忠実に、と言ったことがあって初めて、評価するに値するかが決まる。
そして、2Dアニメーション/漫画と実写では、「生身の人間の役には没入しづらい」という点と、「どうしても同じには描けない」点が発生してしまう。

今回の「美女と野獣」でも、アニメーション版で見せた、美麗で、それこそ360度あちらこちらから、超ドアップもあり、大きく引いたりというジェットコースターばりのカメラワークがあればこそ、円舞シーンは見るものを恍惚とさせる。だが、実写版は、むしろ生身の演技で勝負したかのような通り一辺、ありきたりの映像に終始した。
つまり、希代の名シーンが再現されなかったのだ。ぶっちゃけると、監督氏は、ここだけは実写、特殊効果を取り入れず勝負に出たと考えているわけで、そのこと自体は意欲的ではあるが、前作を越えうる感動を醸し出したとは到底言えない。

アニメーション映画の演出の中で、屈指、いや3本の指に入るといってもいいあのシーンが案外に終わる。それも中盤。その直前の、ドレスに装飾が施されていき、ベルがこれ以上ないほど引き立つ場面に感動し、ほろりと来たにもかかわらず、全体的に暗めの光彩もアゲインストに働いたとみる(最終盤で見せる光輝くシーンのためとも思いたいが、ここはもっともっと明るく満艦飾でやってほしかった) 。

そう。御大・ディズニーですら、あのシーンを再現できない。どこに原因があるのかは批評待ちの部分もあるが、やはりアニメーションの実写化は地雷なのか、と思わずにはいられない。
ただ救いは、光る一手は結構確認でき、それが女性陣のハートを揺さぶったであろうことだ。

どちらでもヒットできる素養があるディズニーですら、この程度でしか表現できない。もちろん特殊効果にあえて頼らず、生身で勝負した監督氏のチャレンジはむしろ賛辞を送りたい。だが、完全リメイクを標榜していて、あのザマでは、ちょっと違うんじゃね?となるのはしかたない。
もう一本書いていきます。
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