とにかくすごかった、というのが第一印象だった。それくらいあらゆる感情を持っていかれた作品といわざるを得ない。
そんな感想から鑑賞記を始めたくなるとは!とにかく見てない人は一刻も早く見るべきである。
これだけで鑑賞記を終えてもいいのだが、それでは伝わっているとはいいがたい。というわけでいろいろと紐解いていきたい。
2/9の鑑賞するべき作品として、「サヨナラまでの30分」「37セカンド」あたりも候補に入っていたのだが、ブルク7で本作と「グリンゴ」が2本立てで見れるとなって、その選択をする。
10:40に到着して購入。だが、埋まり具合が7割強あり、○表記(◎→○→△→×で売れ行きがわかるシステムだ)。いい時間帯だったこともあるが、よく埋まったといいたい。
劇場の中は、老若男女ごったまぜの雰囲気がつかめるものの、構成比はやや男性寄りと見て取れた。平均は40代前半。
実は、ほとんどの映画の場合、登場人物や企業はぼかしてあるのが通例である。いわゆる「この映画はフィクションであり……」のあのくだりである。
このストーリーは、実際の「前田建設工業」(1824)に「今現在も存在する」ファンタジー営業部の、第一ミッションがどのように立案され、それに関わった人たちがどう変化していったのか、を赤裸々に書いている。
第一ミッションのお題からしてびっくりである。マジンガーZのオープニングでさっそうと登場するマジンガーの格納庫と、それに付随する装置一式を実際に作ったら、ということをまさにクソ真面目に取り組むというのだから突拍子もない。
初めは乗り気でなかった課員たちが、時間が経つにつれて次々と覚醒し、製作に没頭することになっていく過程は、見るものをきっちりと引き込んでくれた。特に、当初は邪険にしていた周りの人たちが好意的な態度に変化するばかりか、助け舟を次々に繰り出していくのだ。
当時のマジンガーZの設定や喜撰なところにもフォローが入っていたり、設計も何もかも終わったと思った瞬間、スライドさせて、プールからではない別の場所から地面を突き破って出てくるシーンがあったことなど、細かいネタも随所に放り込みながら、前に進むだけのことしかやっていないようにも見える。
だが、高杉真宙と六角精児のダム見学のシーンは、私がおかしいのか知らないけど、ほろっと来てしまった。六角がノスタルジー的なことを言い、そしてダムの前田だけではもう生き残れない、ということを言っただけだったのだが、心にきれいに突き刺さってくれたのだ。
後半の難題になりふり構わず他業種を巻き込む営業部。しかし手を上げたところがなんと3社、しかも関係会社である前田製作所(6281)だけでなく、栗本鐵工所(5602)、日立造船(7004)までもがデフォルメなしで実際の社名を引っ提げて登場したことだ。日本の物作りにかける情熱というものを受け止めてきっちり図面にまで落としこむ凄さ。17年前の気概がすべてのメーカーに残っていることを信じたい。
得点は96点!! 見事本年のトップに今のところ着くことに成功する。
ただ単なるお仕事ムービーとは違うアツさが随所にちりばめられているのが特徴だ。5人の課員のリーダーであるおぎやはぎの小木、二番手的な上地、オタクながらとりまとめ役に徹する本多力、やる気ほぼゼロの女性課員・岸井ゆきの、そして高杉。プレゼンの度に声が大きくなっていくさまは本気度が伝わるいい演出になっていたと思う。
映画のアウトラインが発表されて、ほぼあたりを見出せたのは、「ペンギン・ハイウェイ」など、ここ最近の名作を生み出している上田誠氏が脚本、「賭ケグルイ」の英勉氏が監督という部分も大きい。
とにかく手の入れ方が半端ない。オープニングはまるでヒーローの名乗りがあったら、勘違いしちゃうんじゃないかといえる大仰な登場ぶりで観客をがっちりつかむ。その後の小木のハイテンション、それにつられていく課員たちがコミカルでよかった。
YAHOO!評も絶賛しているものが多勢を占める。これは、本当に映画になって、よかった題材だと思うし、それをヒット(鑑賞)できた私の目は間違ってなかったといえる。
そんな感想から鑑賞記を始めたくなるとは!とにかく見てない人は一刻も早く見るべきである。
これだけで鑑賞記を終えてもいいのだが、それでは伝わっているとはいいがたい。というわけでいろいろと紐解いていきたい。
2/9の鑑賞するべき作品として、「サヨナラまでの30分」「37セカンド」あたりも候補に入っていたのだが、ブルク7で本作と「グリンゴ」が2本立てで見れるとなって、その選択をする。
10:40に到着して購入。だが、埋まり具合が7割強あり、○表記(◎→○→△→×で売れ行きがわかるシステムだ)。いい時間帯だったこともあるが、よく埋まったといいたい。
劇場の中は、老若男女ごったまぜの雰囲気がつかめるものの、構成比はやや男性寄りと見て取れた。平均は40代前半。
実は、ほとんどの映画の場合、登場人物や企業はぼかしてあるのが通例である。いわゆる「この映画はフィクションであり……」のあのくだりである。
このストーリーは、実際の「前田建設工業」(1824)に「今現在も存在する」ファンタジー営業部の、第一ミッションがどのように立案され、それに関わった人たちがどう変化していったのか、を赤裸々に書いている。
第一ミッションのお題からしてびっくりである。マジンガーZのオープニングでさっそうと登場するマジンガーの格納庫と、それに付随する装置一式を実際に作ったら、ということをまさにクソ真面目に取り組むというのだから突拍子もない。
初めは乗り気でなかった課員たちが、時間が経つにつれて次々と覚醒し、製作に没頭することになっていく過程は、見るものをきっちりと引き込んでくれた。特に、当初は邪険にしていた周りの人たちが好意的な態度に変化するばかりか、助け舟を次々に繰り出していくのだ。
当時のマジンガーZの設定や喜撰なところにもフォローが入っていたり、設計も何もかも終わったと思った瞬間、スライドさせて、プールからではない別の場所から地面を突き破って出てくるシーンがあったことなど、細かいネタも随所に放り込みながら、前に進むだけのことしかやっていないようにも見える。
だが、高杉真宙と六角精児のダム見学のシーンは、私がおかしいのか知らないけど、ほろっと来てしまった。六角がノスタルジー的なことを言い、そしてダムの前田だけではもう生き残れない、ということを言っただけだったのだが、心にきれいに突き刺さってくれたのだ。
後半の難題になりふり構わず他業種を巻き込む営業部。しかし手を上げたところがなんと3社、しかも関係会社である前田製作所(6281)だけでなく、栗本鐵工所(5602)、日立造船(7004)までもがデフォルメなしで実際の社名を引っ提げて登場したことだ。日本の物作りにかける情熱というものを受け止めてきっちり図面にまで落としこむ凄さ。17年前の気概がすべてのメーカーに残っていることを信じたい。
得点は96点!! 見事本年のトップに今のところ着くことに成功する。
ただ単なるお仕事ムービーとは違うアツさが随所にちりばめられているのが特徴だ。5人の課員のリーダーであるおぎやはぎの小木、二番手的な上地、オタクながらとりまとめ役に徹する本多力、やる気ほぼゼロの女性課員・岸井ゆきの、そして高杉。プレゼンの度に声が大きくなっていくさまは本気度が伝わるいい演出になっていたと思う。
映画のアウトラインが発表されて、ほぼあたりを見出せたのは、「ペンギン・ハイウェイ」など、ここ最近の名作を生み出している上田誠氏が脚本、「賭ケグルイ」の英勉氏が監督という部分も大きい。
とにかく手の入れ方が半端ない。オープニングはまるでヒーローの名乗りがあったら、勘違いしちゃうんじゃないかといえる大仰な登場ぶりで観客をがっちりつかむ。その後の小木のハイテンション、それにつられていく課員たちがコミカルでよかった。
YAHOO!評も絶賛しているものが多勢を占める。これは、本当に映画になって、よかった題材だと思うし、それをヒット(鑑賞)できた私の目は間違ってなかったといえる。