細田守監督の「未来のミライ」のスタートダッシュは思いっきり決まらなかったようである。
→なんと、前作「バケモノの子」の4割減は、危機的状況。
夏のオリジナル系のアニメーションの勢力図をおもいっきり変動させた新海監督の出現は、細田氏にとってもかなりのプレッシャーになっていただろうと思う。"人の金城湯池を邪魔しやがって…"
しかし、新海監督は、実質メジャーデビュー1作目で100億の壁をあまりにもあっさりと越し、200億までも突破してしまった。一方の細田氏は、今まで公開したすべての作品を寄せ集めて初めて150、とかというレベル。50億の壁すらもやすやすとは越えられないところにこの人の限界を感じ取ってしまう。
「君の名は。」の大ヒットを受けた翌年には、岩井俊二氏の原作と言ってもいい「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」のアニメーション映画が公開されたが、これも結果的には公開館数の割には大爆死に等しい興行収入しか上げられず(上記記事では、「メアリ」の半分以下=15.9億(Wikiより)と言う惨状)、「ミライ」もこの流れを取りそうな予感すらする。
ちょっと富裕層のお子様(4歳児)の、ちょっとした成長物語が、どの層にビビットに訴えかけるのか?中学生の青臭い恋愛物語と、歴史をやりなおせる特殊能力にどれほどの需要があるのか?
この爆死(ミライもほぼ同様のルートが確定している)2タイトルに見受けられるのは、間違いなく「テーマ選定の失敗」にある。
大きくなった未来ちゃんがそこそこに頑張ってくれているのなら、もう少し評価も変わっただろう。だが、出てくるシークエンスは、顔にクッキー貼りつけられた時と、お母さん絡みの時、そして未来の東京駅のシークエンスと、それにつながるルーツを見ていく時間帯だけである。もっとのべつまくなし、未来のミライが絡むと思っていたら、このありさま。そりゃぁ、4歳児のわがまま、「好きくない」ばかり見せつけられたら、いやな気分にもさせられる。
「打ち上げ花火」も、よくよく考えたら、短い尺の内容を90分程度に引き伸ばさなくてはならず、そのたびごとにガラス玉による巻き戻しが可能になっている。くどいうえに、成果も上がらない。ラストシーンのほったらかしぶりもなんとなくもやもやしたままだった。
映画の論じるテーマ。これが作品の良しあしを左右するのは間違いない。あの犯罪者一味の映画にしても、元はといえば、死んだ母親の年金を搾取した息子の逮捕劇が構想の始まりだという。ストーリーの膨らませ方が、この2作品は、致命的に悪かったが故の爆死・低興収になったとみている。
それでも「打ち上げ花火」の方は、光る一手や特殊効果がかなり効果的だった。今作はいたって普通で、製作費をケチったんではないか、と思われる節もあったりする。
とりえがどこにもない「未来のミライ」。「打ち上げ花火」は越えてくれるだろうが、最近作の中ではケツから数える方が早いのではないかとさえ思う。
→なんと、前作「バケモノの子」の4割減は、危機的状況。
夏のオリジナル系のアニメーションの勢力図をおもいっきり変動させた新海監督の出現は、細田氏にとってもかなりのプレッシャーになっていただろうと思う。"人の金城湯池を邪魔しやがって…"
しかし、新海監督は、実質メジャーデビュー1作目で100億の壁をあまりにもあっさりと越し、200億までも突破してしまった。一方の細田氏は、今まで公開したすべての作品を寄せ集めて初めて150、とかというレベル。50億の壁すらもやすやすとは越えられないところにこの人の限界を感じ取ってしまう。
「君の名は。」の大ヒットを受けた翌年には、岩井俊二氏の原作と言ってもいい「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」のアニメーション映画が公開されたが、これも結果的には公開館数の割には大爆死に等しい興行収入しか上げられず(上記記事では、「メアリ」の半分以下=15.9億(Wikiより)と言う惨状)、「ミライ」もこの流れを取りそうな予感すらする。
ちょっと富裕層のお子様(4歳児)の、ちょっとした成長物語が、どの層にビビットに訴えかけるのか?中学生の青臭い恋愛物語と、歴史をやりなおせる特殊能力にどれほどの需要があるのか?
この爆死(ミライもほぼ同様のルートが確定している)2タイトルに見受けられるのは、間違いなく「テーマ選定の失敗」にある。
大きくなった未来ちゃんがそこそこに頑張ってくれているのなら、もう少し評価も変わっただろう。だが、出てくるシークエンスは、顔にクッキー貼りつけられた時と、お母さん絡みの時、そして未来の東京駅のシークエンスと、それにつながるルーツを見ていく時間帯だけである。もっとのべつまくなし、未来のミライが絡むと思っていたら、このありさま。そりゃぁ、4歳児のわがまま、「好きくない」ばかり見せつけられたら、いやな気分にもさせられる。
「打ち上げ花火」も、よくよく考えたら、短い尺の内容を90分程度に引き伸ばさなくてはならず、そのたびごとにガラス玉による巻き戻しが可能になっている。くどいうえに、成果も上がらない。ラストシーンのほったらかしぶりもなんとなくもやもやしたままだった。
映画の論じるテーマ。これが作品の良しあしを左右するのは間違いない。あの犯罪者一味の映画にしても、元はといえば、死んだ母親の年金を搾取した息子の逮捕劇が構想の始まりだという。ストーリーの膨らませ方が、この2作品は、致命的に悪かったが故の爆死・低興収になったとみている。
それでも「打ち上げ花火」の方は、光る一手や特殊効果がかなり効果的だった。今作はいたって普通で、製作費をケチったんではないか、と思われる節もあったりする。
とりえがどこにもない「未来のミライ」。「打ち上げ花火」は越えてくれるだろうが、最近作の中ではケツから数える方が早いのではないかとさえ思う。