昨日の毎日放送のニュース番組『voice』のCATCH THE VOICEのコーナーには、あきれるを通り越して、脱力感しか感じられなかった。

西靖キャスターが、したり顔で「大義」ってあるんでしょうか?なんて語り掛けられても、当方としても困ってしまう。
ありもあり、大ありだからである。そもそも2015年10月の消費税率上げは、前政権に当たる野田内閣の決めたこと。景気動向が不味ければ、延期できるという条項も盛り込まれていた。それを行使するだけでもよかったはずなのだが、税金にかかわることだけに信を問うと言っていることだから、大義があるとか無いとか以前に、これが当然の結末である。

インタビューの中で傑出したばかさ加減を呈していたのは、「年末に選挙するなんて」という、すごい言いぐさ。前回の選挙のスケジュールを忘れてしまっている有権者にはあきれるし、そういった「馬鹿情報」をこれでもかと流して、今の与党ってロクなことしてくれないよね(600億もかけて選挙するなんて、という声も映像にしていた)、という印象操作したいのが見え見えの結果に頭を抱える始末である。(言っときますが、前回の選挙に至る過程は、野豚氏が党首討論の際に「解散する」とサプライズ発言したことがきっかけ。きっちりとした記者会見の場で表明したわけではない。そして、前回の衆議院選挙は、12/4公示・12/16投票である。)

これだから、マスコミはダメだ、といわれるのである。少なくとも正しい情報をあまねく世間に広めようとできないのである。確かにインタビューなので、間違った情報が流されることはあるだろう(インタビュアーの選択があまりにへぼすぎて、いい素材が集まらなかったのが最大の原因/たまに骨のある意見も聞かれたが、少数派だった)。しかし、それを市井の意見だ、これが民意だ、という風な報道をすることに疑義を抱かざるを得ない。例えば、年末選挙の件も、「前回もそうだったんですけど」的なフォローが入るとか、そもそも採用しないということだって考えられる。そういった、今の与党では気に入らないから少しでもネガティブな情報をねじ込んでやれ、としている風な編集態度が見え隠れするのである。

同業者の誤報問題は、どこの局も、社も大々的なキャンペーンを張っているように感じない(何しろ、同じ穴の狢、である。藪蛇なことまでするほど自虐的ではあるまい/産経ですらほぼ沙汰やみである)。政府・内閣の揚げ足を取ることばかりに汲々としているマスコミそのものに、報道するという大義があるのか、と問いたい。