多趣味・マツキヨの落書き帳

2013年(平成25年/皇紀2673年)1月、タイトル含めて大幅刷新いたしました。 現在、ダイエー店舗訪問記録/映画鑑賞記/即席麺試食記/ラーメン店訪問記がメイン記事となっております。画像/引用/リンク等は、ご随意に。

未来のミライ

「未来のミライ」で比較検討倶楽部(6) キャスティングの功罪を考える

ぼろくそに評価しておきながら、なんと比較検討倶楽部記事としては6タイトル目。いや、それだけ問題作であるともいえるのだ。

「未来のミライ」が大ヒットできなかった(と断定しているが、あれだけの館数で20億とかだったら、爆死もいいところ)理由はいくつも上げられようが、やはり物語の根幹に難があるといわざるを得ない。ストーリーやセリフの運び。それらに共感できなかった…監督の自己満足の塊が具現化してしまったと思った人が大半だったとみていい。
それでも、キャラクターに命を吹き込むのは吹替え担当の声優である。ここ最近は俳優・女優も主役に抜擢されるご時世であり、それが一定の評価を得始めている。

この作品の致命的マイナスポイントは、「4歳児には決して聞こえない」くんちゃんの声である。そりゃそうだ。芸能活動も始めたばっかりで、声優が本業ではない上白石萌歌嬢が担当したのだから無理もない。そもそも彼女はミライ役でオーディションに来ていたはずである。それがひっくり返ってしまう・・・くんちゃんは、それこそ、心君(TOTO CMでもおなじみ)を代表に、声変わりしていない児童俳優でやるべきだったし、もしそれがかなわないならまともな声優を起用すべきだったと思う。なまじ棒の演技でないだけに、余計に際立ってしまうのだ。
この作品はほかにも有名俳優陣が吹替えを担当したのだが、唯一評価できるのは、福山の担当したひぃおじいちゃんだけ。「夜は短し」でエキセントリックな演技をした星野源も、この作品では凡庸。ミライちゃんの黒木華はぎりぎり許容できるが祖父役での役所広司なんか印象に残るセリフほぼなし。ともかく豪華声優陣を生かし切れていないのだ。
それに比べて、適材適所を地でいった「君の名は。」のキャスティングの妙は、もはや神の領域である。新海ファンであった神木は、まさに監督の思考を先取りして瀧に魂を吹き込み、声優業に活路を見出しいい女子大生役をやってのけた、「Sing!」でも好演した長澤、彼女以外に見当たらない祖母役の市原、そして、なんといってももはや彼女の声=三葉に脳内変換されてしまう上白石萌音の熱演は、すべての男性ファンを虜にしてしまったといっても過言ではない。
そうかと思えば、配役に失敗しまくっている作品もある。「メアリ」の遠藤さんは棒過ぎてがっかり。多分、自分が演じないと演技できない人なのだろう。登場回数も少ないのに、これまた棒だった「ペンギン・ハイウェイ」の西島、興が乗っていない面で言えば「となりのトトロ」のお父さん・糸井もたいがいだった。見てはいないが、主人公の棒演技が延々見られる「風立ちぬ」の某監督の声優ぶりは本人にとっても、またヒダリマキ監督にとっても黒歴史と言わざるを得ない。

アニメーションの成否を分けるのは、以前は絵や動きと言われてきたのだが、ここ最近は、キャスティングが重要視されているように思う。「キミコエ」が意外なほど評価が高いのも、6人をうまく割り振り、それに従ったキャラデザや性格付けなどがうまくはまったからだと思う。石見さんを見出した「さよ朝」の面々にも賛辞を惜しまない。更に「ペンギン・ハイウェイ」で主役を北嬢に抜擢した監督の意志というものをも感じ取る。

「未来のミライ」がヒットしなかった要因。キャスティングの無駄遣いとセンスのなさ。これも上げておきたいところである。

未来のミライで比較検討倶楽部(5) 広告宣伝・予告編など

まずは、予告編を見てもらおう。(ちなみにこれは第一弾のもの。証拠に吹替えされていない)


ここから見えるのは、「未来のミライちゃんと、くんちゃんが冒険に出かけるストーリー」でしかない。時々インサートされるシーンも、本編を見終わった後なら「ああ、あそこか」とわかるが、順序を混濁させてみせるのだから、予告を見た段階でどういう組み合わせになっているかはわかりようがない。声の出演も伏せられた状態であり、名作と評できるかどうかはわかりづらい。

声が入った予告編がこちらになる。


作品としての体裁が整った状態の最終盤。勢いこれを見て鑑賞を決めるかどうかになると思われる。だが、やはりここでも、未来のミライがストーリーを引っ張るという風にしか感じられない。
もちろん日テレの一大名跡と化した細田監督作品ということで、吹替え勢はもとより、特番も組まれる始末。言わずもがな、でバラエティなどに彼らが登壇して宣伝をするなんていうのももう使い古された手法である。
でも正直現時点のYahoo!レビューは2.57点(2018.8.4 AM1:40現在/得点表記はすべてこの時間での閲覧)。公開も終わり、酷評されまくった「打ち上げ花火」が3.25、これも酷評の嵐だった「メアリ」が3.05なのに比べると、この差は歴然としている。

その一方、広告宣伝をまともにやっていない結果、観てもらえなかった名作というものは本当に多くある。ここ最近のアニメーションで、ということになれば「きみの声をとどけたい」ということになるだろうか?
完全オリジナル、著名な声優(おばあちゃん役の野沢雅子氏の起用はすごかったが)やゲストと見られる人もほぼなく、それどころか主役級はついこの間までズブのシロート。絵も中の上クラス。そんな作品なのに、Yahooの評価は4.02になっている。
もっといい例がある。「この世界の片隅に」である。クラウドファンディングで制作費を集めてようやく公開にこぎつけただけであり、広告宣伝など、公開当初でほぼ皆無。テアトル系でしか流せなかったことも災いしたはずなのだが、公開から2年経ってなんと長尺版がリリースされるという。ここまでの熱量をすずさんが保持していたことに驚かされるし、端折られた遊女とのエピソードが追加されるとなったら、前作であまりな評価だった小生も振り向かざるを得まい(3.95)。

細田監督のラインアップの中でも最低点を記録した本作(順に、時かけ4.07/サマーウォーズ4.17/おおかみこども4.07/バケモノ 3.57)。レビューの中でも「予告編詐欺」を高らかに書き綴る評者が続出するわけだが、それは無理からぬところだろう。この作品の一番の短所がここに凝縮されているといえなくもない。

未来のミライで比較検討倶楽部(4) ファンタジーの側面から比較してみる

「未来のミライ」をジャンルで分けると、ファンタジー、ということになるだろう。4歳の男の子が、時空を超えて(越えず、ケモナーになる部分もあったりしたが)、その時々の人たちと交流していく中で、徐々にではあるが成長していく、というところが描きたかったのだろうと思っている。

ファンタジー、人間成長物語となると、これまたさほどヒットしなかった『メアリと魔女の花』が挙げられる。この作品は、時系列を変動したりはしないが、過去の人間とのつながりはかなり意識して描かれている。いうまでもなく、大叔母に当たる人が実は物語の端緒だったことにつながるわけだが、それとメアリの成長とはあまり関係がない。このストーリーが書こうとしたのは実質数カ月程度。声優に起用された一部の有名俳優のグダグタぶりがなお一層ストーリーの乗れなさぶりに拍車をかけてしまい、「お子様には何とか楽しめるが、大人向けではない」という評で締めくくっている。

「ミライ」がファンタジーとしても失敗、というか成果を上げられていない最大の原因は「未来ちゃんが芯をとっていない」ことに起因している。未来の未来ちゃん。これすなわち、今の4歳のくんちゃんの世界にはありえない人物であり、彼自体で物語を構築することは不可能なのだから、彼女がメインで引っ張ってもらうべきストーリーだと思うのだ。なのにファンタジー的に見せる最初のシーンがユッコの擬人化って…
その点、まだ「メアリ」の方は、メアリがメインで動くシーンが多く、それが吉と出ずとも凶になっても、我々は何とかスクリーンにはしがみつける。面白くなくても「まだまだ先があるから…」と我慢を強いられる部分では、両作ともに感じられる部分である。

すでに何度も書いてあるように、くんちゃんを主役に据えたこと自体が"冒険"であり、この作品の趨勢がそれで決まったと思っている。そう。「失敗/受け入れられない」ということである。監督自身も、無理筋だと理解していたからこそ、家族のルーツをたどるストーリー、どの世代にも「はまる」オムニバスな演出にして、どっかでよかったと思ってもらえればそれでいい、というスタンスにしたのだと思う。
この大まかなストーリーに異を唱えなかった製作陣をはじめとする、スタッフ全員がこの作品の爆死ぶりに責を負うべきだとは思うが、ファンタジーとも呼べるかどうか、微妙なスタイルの作品になってしまったところが本当に罪深い。
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