「トラは死して皮を留め、人は死して名を残す」という諺がある。
人生が終了しても、残した結果や業績は消えるものではない、ということのたとえである。

人間・中内 功(正しい漢字は、力→刀)が、ただのダイエー創業者であったとするなら、誠に申し訳ないが、そこら辺の起業家や雇われ社長と同格に論じられても仕方ない。いや、むしろ、巨額の損失を抱え、企業としての価値を大幅に毀損したという部分では、仮にそれが「土地本位主義の崩壊」が遠因であったとしても、全く責任がないとは言い切れない。

しかし、私が、彼をソンジョソコラの経営者という見方ではなく、敬意を込めてCEO(最高経営責任者)と呼ぶのは、単に私が中内シンパだからではない。彼にとっての『名を残す』は、店舗や会社の存続を意味するのではなく、もっと形のあるもの−−教育施設=流通科学大学 にその価値を見出したことにある。

世の中に大学は数々あれど、一人の社長が設立した大学は極めて珍しいといえる。しかも、流通科学大学のwikiを読むと、大学を作りたい、とCEOが言い出したのは、なんと、1979年(開学は1988年なのだが、9年前から作りたいといっていたとは知らなかった。ちなみに社員向けの研修施設「スーパー大学校」を創設したのは1973年/住所は判明したが、現在はマンションになっている。)。こういってはナンだが、企業家で、ここまで教育に熱心な人って私は知らない。流通業界に限っても、伊藤氏も、岡田氏も、こんなことは思っていないはずである。

実は急にこんなことを記事にしたのにはわけがある。
今年・2015年はCEOの没後10年目に当たる。その節目に、資料館などがリニューアルされ、9/19に一般公開された、ということで、行ってきた人のレポートがtwitterで上げられていたのを発見してしまったからである。
デパート通信さんのtwitterページはこちら。ちなみに本来なら、事前予約なども必要とのことで、研究者である当方にとってはちょっとハードル高い(学校休みの時は開いてないみたいだしorz思い立っていけないのも残念だ) 。

現在、【過去記事は面白きかな】は作成が止まっているのだが、ただ過去記事に頼るだけでは真の「ダイエー研究」には至らないと思う。やはり、CEOの素顔、というか、人間にも触れておかないと、ダイエーという、間もなく消えてしまいかねない企業のありようというものに近づけない気がしている。
産経が記事にしてました。