結局、映画を作る側にしても、配給する側にしても、作品の優劣を語る上でのバロメーターといえば、興行収入しかない。
「稼げる」映画が正義であり、まともに客も呼べない映画は何のために作ったの、と言われてしまうのだ。

例えば、当方は未見だし、テレビ版の延長線上/若手の競演こそ見どころかもだが、ディザスター映画はあまりお好みでないのできっちりスルーした『コード・ブルー』の劇場版が、100億が手に届きそうなところまで伸長しているというではないか。
また、シリーズものであり、今までの劇場版は完全スルー、先の読めるストーリーなど、どうしても見たいと思わないコナンシリーズも、新作に限って言えば、動員記録を達成、80億強まで伸ばせた。

「君の名は。」にしたところで、当初の配給元の興収予測は「15億」とか言っていたわけで、こうした予測が当てにならないのと同時に、爆発的な動員を可能にできる素地が作品に備わっていないと、いくら声を大にしたところで誰も見てくれないと考えられる。
好例が「きみの声をとどけたい」であり、最近作で言えば「若おかみは小学生!」なんかが挙げられる。
ちなみに「カメラを止めるな!」は、現在時点で23億も興収を上げられており、これには驚きを隠せない。

で、ここまで興行をネタにしたのには理由がある。
これまでの映画の興行に関するデータを抽出することに成功したからである。
→2018年に入ってかなりの精度でデータを追えているようなので、今後の記録については、このブログを参考にすることにする。映画DONDON!

というわけで、先般上梓した、当方の映画ランキング(いわば私の中でのランキング)と、興行収入を合わせてみるとどうなるのか、という試みでやってみようと思ったのである。
尚、参照したのは「8/8までのアニメーション映画興行ランキング」と最新版のランキングである。例えば「リズ」はアニメランキングに記載あるも、トータルの方では記載がなかったり、現在上映中の作品の言及がないものもあるので、両方に掲載されていれば、最新版=額の大きい方 を採用した。

12位  ちいさな英雄       0.5億
11位  未来のミライ                   28.2億
10位  あさがおと加瀬さん。               N/A
9位  リメンバー・ミー                   50億
8位  詩季織々 N/A
7位   ニンジャバットマン N/A
6位  君の膵臓をたべたい 2.2億
5位  若おかみは小学生!                 0.6億
4位  ペンギン・ハイウェイ                 3.0億
3位  ガールズアンドパンツァー 最終章第一話    7.0億
2位  さよならの朝に約束の花をかざろう        3.5億
1位  リズと青い鳥                      0.6億

短編集だった、詩季織々は、3週間程度の短期興行、加瀬さんも同様。ニンジャバットマンも短期決戦であり、確実に動員は稼げていない。とはいえ、1000万円以下=動員が10,000人いっていない とはどうしても考えにくいのだ。尚、現在上映中の作品については伸びる余地もあるので、数字に下線を引いてある。
このランキングだが、リズの数千万円台は、明らかにおかしい。ネタどりを間違っているか、出典自体がおかしいのか…

ともかくこうなった。
載っているべきデータがないところは、完全ではないと言いたいところだし、少し残念な面持ちもする。でも、ともかく「ネタ」を提供してくれるところは悪い話ではない。