多趣味・マツキヨの落書き帳

2013年(平成25年/皇紀2673年)1月、タイトル含めて大幅刷新いたしました。 現在、ダイエー店舗訪問記録/映画鑑賞記/即席麺試食記/ラーメン店訪問記がメイン記事となっております。画像/引用/リンク等は、ご随意に。

菅田将暉

2020.8.12 初・先行上映! 「糸」鑑賞記

とうとう正規の公開日を待ち切れず、「先行上映」会に参加するまでになってしまった。
取りあえず事前宣伝も派手にやっていた本作は、菅田&小松という、今後「リアルカップル」に発展しなくもないコンビで映画化しただけに、かなり期待値は上がっていたのだが……

16:10の回を勇躍予約するが、気が付くとタイムアップギリギリの時間帯。こんな時に限ってタクシーは捕まらない。完全に開演時刻ぴったりでしか入場できなかったのは痛い。だが、やはり「先行上映」というキーワードは映画ファンに訴求したのだろう、ほぼ満席であった。

静の漣、動の葵。どちらかというと動の方ばかりに注目が集まりそうになってしまうのだが、このストーリーの最重要キーパーソンは、漣の妻になる榮倉奈々である。
がんに侵されても出産する。そして直前まで生への執着を見せる。金ですべてが解決すると思っている斎藤工演じる投資会社社長、最後の最後で葵をだます山本美月演じるネイルアーチスト。クズの見本のような人たちに付きまとわれる葵のなんと不憫なことか。対する漣は北海道から動かなかったばっかりに最良の伴侶を得ながら、死別してしまうのである。
彼女の育て方がよかったせいもあるのだが、二人の間に生まれた娘さんがいい芝居を見せるのだ。母親のいいつけというか教えを忠実に守る娘さん。2度自発的に行うこの行為に当方の涙腺が激しく反応する。

さて得点なのだが、ツイッターファーストは93点だったのだが、やや落として91点とする。
この作品の愁眉な点は、小松菜奈の食べるシーンである。騙され、事後処理をすべて済ませたシンガポールの屋台街でふと見つけた日本食レストランで食べるかつ丼。「悔しいけれど食べなくては」という意思が感じられてただ箸を進めているだけなのに当方はおかしなことに号泣に至ってしまう。北海道の「子ども食堂」で食べているときにも「ああ、これは子供時代のころを思い出すな」となってここでも当方の涙腺はおかしくなったのだが、この直後に漣の娘さんがやってきて「!!」となるのだ。
東京でもすれ違わせ、まるで「秒速5センチメートル臭いな」と思ったり、歩道橋を葵が歩くシーンで「君の名は。の再来か?」と思わせるなど、昨今のアニメ映画から実写映画に入ってきている層にも訴求するシーンを加えてあるところもなかなか良い。
平成元年から令和までの30年4か月。小松菜奈演じる葵のジェットコースター人生も、一つ仕事に打ち込む菅田演じる漣の人生も、結局は「人」に恵まれているかどうか、という点に集約される。二人の糸が「捻れて絡まって、時には戻って途切れ、また繋がった」作品であることに間違いはない。

2018.4.27 原作重視と言えるのか、どうか 「となりの怪物くん」鑑賞記

よもや、この私がスイーツ映画評を書くことになるとは、思いもよらなかった。
なんだかんだ言っても50歳代。だからこそ、場違いな平服ではなく、仕事でもしているかのようなスーツで劇場に向かうのは、周りから見ると「滑稽」と見られる可能性が低くなるからである。
作った映像に対する敬意と、「データを取る」という仕事の側面。事実当方は、すでに報じているように、観客動向や男女比、感じられる限りの平均年齢などをはじき出し、映画の基礎データから読み取れる考察も欠かしていない。

封切日の昼回。プレミアムフライデーとはいうものの、当然のようにいっぱいになるはずがない。最終的には40人程度で収まる。男性ソロは3人しか認められず(含む当方)、当然のように私が最年長であると自覚できる観客層にも納得である。男女比は5:1以上。平均年齢は20代後半のレベルと見る。

勉強にしか興味のない雫と、曲がったことが大嫌いの春。特にいじめられている人を見つけると我慢ならなくなる春の行動は、それを認めて屋上から車の上に飛び乗り、風に舞わせるようにコテンパンにやっつける、漫画チックなオープニングで幕を開ける。
家にやってきた雫を認めて、春が急接近。あっという間の友達宣言にも、雫は知らんぷり。導入部は、もう一人の落ちこぼれクラスメートが絡んできて二人の間の人間関係も厚みを帯び始める。クラスメートたちの春に対する思いが、そこかしこで聞かれるようになり、雫も胸を躍らせる。前作「君の膵臓を食べたい」よりさらに踏み込んで、どこで撮ったのかを分からなくする手法は健在。だが、ビーナスブリッジだけは反則ですぜ、監督さん。

雫を巡る恋のさや当ては、他校のお坊ちゃまを交えてさらに混とん。それでも、自由奔放な春の行動や親分肌的な性格が周りに人を集めていく。
その春の隠された真実。兄がおり、疎遠なばかりか、春は毛嫌いするばかり。一方の雫も、母だけが仕事に出ている、ベランダ―・田口トモロウというダメダメ夫が家を護っているありさま。このキャスティングはなかなかよかった。
兄弟の和解が近づきつつある高2のタイミングで事態は一変する。春を失った雫の描写は実に感じ入らせる。
卒業式。またしても春の私物の処理・運搬係にさせられる雫。校庭の石段で段ボールをぶちまけてしまうシーンは、まさに今までが走馬灯のようになって思い浮かび、私もぐっとくる。

だが、春は帰ってきていたのだった。すべてを捨てた旅だったはずなのに、舞い戻ってきていたのだった。再会で二人が抱きしめるところでエンドロール。さなかには二人の結婚式が執り行われるシーンで幕を閉じる。

正直、がっかり、ではなかったが、もっともっとエモーショナルに撮れる監督さんだと思っていた。土屋大鳳と菅田将暉というビッグネーム。監督の前作「キミスイ」に比べたら、むしろハードルを上げてもよかったのではないかと思っている。だが、やはり幾多の作品に出て色がついてしまっていることもあって、キミスイの二人ほど、監督の色に染まっていく感じには見受けられない。
そのアドリブチックな動きが成功しているのならいいのだが、私にはするっと感じさせてくれない。雫の感情の吐露の下手さ(恋愛に晩熟な部分が見られる)が、演技なのか地なのかw。もっと泣き笑いがあってしかるべきだったように思う。
月川組でもある浜辺美波嬢の演技も抑制的。春とデートしようとしてプレゼントを渡しそびれるシーンはうまく立ち回ったが、評価ポイントはそこだけ。サブキャラの中でも立ち位置が一番不明瞭だった。

そして、私がこの作品を見に行こうと思わせた最大の功労者は、カナヤンこと西野カナである。主題曲のみならず挿入歌を全曲担当。いきなりのオープニングで名曲「Best Friend」が流れた時は鳥肌ものだったが、そこから先がいけない。音楽担当者は別にいて、カナヤンの曲が時々挿入されるだけ。曲とドラマの相乗効果を狙っての起用と考えていたのだが、完全に滑っている。
曲とドラマの相乗効果…言わずもがな、の「君の名は。」で用いられた手法である。それが成功しているのかどうか。二番煎じと揶揄されてでも、女子に絶大な人気を誇るカナヤンの曲で彩られる恋愛模様は贅沢でもあると思っていたのだが…世の中そうはうまく行かないってところだろう。

採点はかなり厳しい。75点までだ。二人と監督との間の疎遠ぶりというか、雫と春を演じる二人として彼らが適任だったのか、とすら思える。ミスキャストとまで言う気はないが、お互いに寄り添っているようには感じなかった。もちろん、二人のキャリアは相当なものである。だからこその抜擢なのだろうが、もっと若手で撮ってもよかったんではないかとも思う。初々しさのなさは開始一秒でも感じるわけで、その点を割り引いても心に残らない部分が多い。
西野カナのファン層にも訴えかける部分が少ないのも残念なところだ。大ヒット曲は冒頭のベストフレンドだけ。RADWIMPSが「君の名は。」で見せた、映像に寄り添うようにBGMや主題歌を作ったのとはわけが違う、と早々に気が付くべきだった。試みとしては買うが、失敗していると断言する。
それでもスイーツ映画。あちこちですすり泣く声が聞けたのは収穫でもあるし、唯一の救いな部分だ。
一日は「いよいよ」あの名作と対峙する。どんな感情が勃興するか、楽しみで仕方ない。

2017.7.14 小ネタ満載&弛緩の勝利 実写版「銀魂」鑑賞記

仮にも去年の今頃なら、邦画はもちろん、洋画であっても、話題作/ヒット作といえども見向きもしないできている。
それが「君の名は。」を見た2016年10月1日以降、10タイトルになんなんとする鑑賞記録を打ち立てていく。(君縄/片隅/モアナ/美女/乙女/ルー/ちょい辞め/メッセージ/ジーサンズ)
「メアリ」も見たのでこれで10タイトル目。ここまで映画を見ることはほとんどしてこなかったので、本当に特異な時期ともいえる。

メアリの普通すぎる内容に半ば想定の範囲内であり、その癖期待を裏切らなかった出来栄えに「まあ、そうなりますわな」と自身で決着をつけ、食事&買い物。
20時始まりの銀魂は、19時30分時点で売り切れ。公開初日であり、170人程度の7番なので、このくらいは埋まって当然。
満席に対峙する当方だが、小栗ファンが大挙して押し寄せたのか、場内は女性客/ただし小栗のファン層と思しき30代が中心の女性陣で埋め尽くされていく。男性ソロは10人強。大半が女性ペアであり、構成比はきっちり2:8で女性優位。20代後半〜30代前半を平均とする。

いきなりのジャブで飛ばし気味。宇宙人との戦争があった江戸という設定で、現代風な江戸の街並みが出来上がっており、完全に町はハイブリッド。カフェのシーンでは茶斗蘭星人といういきなり小ネタ。ここで銀時さん登場。ドヤ顔もかっこいい。だが、パフェに文句を言うシーンでくすくすっ。で、どうなるかと思いきや、いきなり自らが歌唱するテーマ曲が流れ始める。3人で総突っ込みのCDTVばりのCGアニメが展開されてをいをいっっwww

ここから前半は、ギャグ/コントの応酬。こういう映画は観ていて飽きない。アララ感もあって、前半を締める。
後半は、ギャグ要素は控えめなれど、ところどころにくすぐりは入れてくるから目が離せない。「オレオレ詐欺」をdisるシーンなんかはその好例。
満身創痍の銀時が頼ったのがマッドサイエンティストの平賀氏。某氏が乗る3倍速い機動兵器がデフォルメもなくお目見えするなど、やりたい放題。トドメは「○○シカ」wwwww基本御遊びはここまで。
ここからは、擬闘に次ぐ擬闘で飽きさせない。立ち止まらせない。ドキドキさせっぱなしにさせてくれる。そして、刀と一体化してしまった似蔵との決着がついたとき、ストーリーはほぼ終焉を迎える。
最後、堂本剛演じる高杉が逃亡して次回作に含みを持たせつつ、一行は、傷だらけながら帰還するところでおしまいとなる。

銀魂に関しては、原作/アニメ共に未見である。それでも、世界観は伝わってきたし、おバカな者たちのおバカぶりだけで終わらせなかったところは、監督氏の読み込み、というよりうまくアレンジしたところの勝利である。ジャンプ/集英社繋がりで、ドラゴンボールのある部分が紹介されるのだが、ここがまた超絶面白い。それを演じたのが、今を時めく長澤まさみと来ている。奥寺先輩/Sing!吹替え/岡田准一主演の「追憶」にも出ているわけだが、バイプレーヤー感が半端ないくせに、主役を食ってしまわんばかりの演技が特筆ものである。
ほぼすべてで良の採点。音楽面がもう一つだったくらいで、充分平均値以上はある。ということで87点としたい。
ストレートに楽しめる。映画の神髄を見せつけてくれたのだから、ここは素直に評価すべきところだろう。

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