池井戸 潤氏といえば、ここ最近のドラマ/特に経済が絡む骨太の内容に定評があり、このテレビドラマ「半沢直樹」効果もあって、書籍の方も良く売れているようである。
池井戸氏原作のドラマ、すごくおもしろいなと思っていたのは、NHKでやっていた「7つの会議」という4回切りのドラマを見たときである。内容は、ネジの強度不足に絡む、創業当時からの隠蔽体質と、強引な営業方針。それに気がついたものが次々「消されて(殺されはしないが視野から消えていく)」行くことに。渦中に放り込まれた主人公も、その闇に気がつき、真相を究明しようとする。そしてたどり着いた先は・・・。
人間関係の複雑さ、善側と思われた人があっけなく悪の道に入り込む(正確には、善と刷り込まれていただけのことであり、視聴者をあざ笑うかのようにガラッと反転させるあたり、すごく上手いと思った)所など、引き込まれる要素は多分にある。
実はこれほどの話題作、真剣に見ていなかったのである。理由は、裏番組。母親のBS韓国時代劇のおかげで、見事にかぶったこともあり視聴に至っていなかったのだ。
ただ、言わずもがな、で、見ていなくても、周りから情報は一杯入ってくる。1クールドラマで流行語まで作れる脚本力と表現力があるこのドラマ。最終回の展開も非常に気になっていた。
もはやほとんどの方が見て頂いたと思うので、ネタバレの部分の記述は避ける。ただ、当方としては、ドラマの常道として、そして池井戸氏のこれまでの人物描写から言って「一筋縄ではいかない」「ハッピーエンドはありえない」と思っていた。
実際、最後の会議のシーンは、結構な長回しの部分もあり、あのテンションでずっと撮影していたのかと思うと、登場人物たちの緊張感たるや、ものすごいものがあっただろう。そして念願の、常務を土下座させるシーンは、悪役を屈服させたのに敗北感というか、諦め感というか、やりきった感しか見て取れず、スタスタと会場を後にするところは入れてほしくなかったところだ。
ここからラストの数分間は、頭取として「どちらを取ったか」に注目が集まるわけで、解雇同然の常務は降格どまり。たいして本来功労者として扱われるはずの半沢には「出向」の辞令。とはいうものの、さんざん仲間内や家庭内の描写が入ってきたことで、「あ、これはwww」と感付いてしまっている私がいた。持ち上げて持ち上げてすとんと落とす。ほとんどの人には「ウワ、そんなラストって」と思っていただろうが、それは素人の視聴者。
100倍返しされたのは実は本人だという、最高の落ちが付いた。めでたしめでたし。出る杭は打たれるのだよ〜〜〜わかったぁ?という頭取の含蓄ある「処分」には思わず笑ってしまったほどだ。
まあ、所詮偽善者を装う半沢みたいなバンカーは要らないのだ、ということも見て取れ、原作者が見てきたメガバンクの世界もほぼこれと同様のやり取り(いや、常務を土下座させるとかクレイジーすぎますしww)があればこその緊迫感あふれる描写になっているのだと思う。
不満たらたらな最終回レビューも多いだろうが、この二人の処遇をめぐった頭取の一言・・・君を銀行家として評価している(元常務にかけた言葉) がすべてを言い表している。勧善懲悪といいながら、最終的に「正義は必ずしも勝たない」を提示し、「こいつに対する復讐を誓う」かのような顔つきのエンディング。続編製作の予定もなくこれで終了とは、TBSも残念な結果にしてしまったものである。
池井戸氏原作のドラマ、すごくおもしろいなと思っていたのは、NHKでやっていた「7つの会議」という4回切りのドラマを見たときである。内容は、ネジの強度不足に絡む、創業当時からの隠蔽体質と、強引な営業方針。それに気がついたものが次々「消されて(殺されはしないが視野から消えていく)」行くことに。渦中に放り込まれた主人公も、その闇に気がつき、真相を究明しようとする。そしてたどり着いた先は・・・。
人間関係の複雑さ、善側と思われた人があっけなく悪の道に入り込む(正確には、善と刷り込まれていただけのことであり、視聴者をあざ笑うかのようにガラッと反転させるあたり、すごく上手いと思った)所など、引き込まれる要素は多分にある。
実はこれほどの話題作、真剣に見ていなかったのである。理由は、裏番組。母親のBS韓国時代劇のおかげで、見事にかぶったこともあり視聴に至っていなかったのだ。
ただ、言わずもがな、で、見ていなくても、周りから情報は一杯入ってくる。1クールドラマで流行語まで作れる脚本力と表現力があるこのドラマ。最終回の展開も非常に気になっていた。
もはやほとんどの方が見て頂いたと思うので、ネタバレの部分の記述は避ける。ただ、当方としては、ドラマの常道として、そして池井戸氏のこれまでの人物描写から言って「一筋縄ではいかない」「ハッピーエンドはありえない」と思っていた。
実際、最後の会議のシーンは、結構な長回しの部分もあり、あのテンションでずっと撮影していたのかと思うと、登場人物たちの緊張感たるや、ものすごいものがあっただろう。そして念願の、常務を土下座させるシーンは、悪役を屈服させたのに敗北感というか、諦め感というか、やりきった感しか見て取れず、スタスタと会場を後にするところは入れてほしくなかったところだ。
ここからラストの数分間は、頭取として「どちらを取ったか」に注目が集まるわけで、解雇同然の常務は降格どまり。たいして本来功労者として扱われるはずの半沢には「出向」の辞令。とはいうものの、さんざん仲間内や家庭内の描写が入ってきたことで、「あ、これはwww」と感付いてしまっている私がいた。持ち上げて持ち上げてすとんと落とす。ほとんどの人には「ウワ、そんなラストって」と思っていただろうが、それは素人の視聴者。
100倍返しされたのは実は本人だという、最高の落ちが付いた。めでたしめでたし。出る杭は打たれるのだよ〜〜〜わかったぁ?という頭取の含蓄ある「処分」には思わず笑ってしまったほどだ。
まあ、所詮偽善者を装う半沢みたいなバンカーは要らないのだ、ということも見て取れ、原作者が見てきたメガバンクの世界もほぼこれと同様のやり取り(いや、常務を土下座させるとかクレイジーすぎますしww)があればこその緊迫感あふれる描写になっているのだと思う。
不満たらたらな最終回レビューも多いだろうが、この二人の処遇をめぐった頭取の一言・・・君を銀行家として評価している(元常務にかけた言葉) がすべてを言い表している。勧善懲悪といいながら、最終的に「正義は必ずしも勝たない」を提示し、「こいつに対する復讐を誓う」かのような顔つきのエンディング。続編製作の予定もなくこれで終了とは、TBSも残念な結果にしてしまったものである。