「夏の自由研究」ではないが、こんな、ビッグなネタを前にして、書かずにはいられない小生がいたりする。
さて、前回では、座談会3ページ分を拾ってみたわけだが、まだまだ1/10も書ききれていない。最後にCEOとのインタビュー記事もあったりするので、ここはいちばん長くなってしまうのでは、と思ったりもしている。

とにかく、15年前。まだダイエーがこのForbesの表紙のごとく、やり方一つで食から立ち直ることも可能だったのではないか、と言える、最後のターニングポイントだったともいえるわけで、いわば、がけっぷちを取材していたこの雑誌の編集部には、敬意を表したいところである。

さて、当該誌56ページからは、「ダイエー 10の誤算を読む」と題して、10個もの「誤算」を上げながら、今後どうすべきかを論じている。
第一に上げた誤算は、経営組織であった(論者は、国友隆一氏/MJなどでもおなじみの論客)。が、冒頭から、いきなり結論、というか、ビビッとくる文言に雷を打たれてしまった。
 
  『唐突に聞こえるかもしれないが、これは中内功会長兼社長の経営方針を反映している。中内氏にとって経営とは闘争であり、共存共栄の考え方は薄い。メーカーや卸への対応にもこれは言える。社内においても実力者を育てたくない。ライバルは人生を共に歩む良き競争相手ではなく、叩くべき敵なのだ』(56ページ)。
※「功」の漢字は正しくは、力の部分が刀。以後の本名記載の際でも、同様な事例が発生するが、ご容赦いただきたい。

実は、CEO存命中に関わらず、組織改革・機構改革がこれほど頻繁に行われているということは意外と知られていない。例えば、ニュースリリース上で残っている、2009−2015年までで、「組織変更」という文字だけで引いてみると、09年2回/10年1回/12年1回/13年2回/14年2回/15年はなんと、1月と2月の2回も行われている。
それこそナショナルチェーン状態であった90年代や2000年代初頭には、もっともっといろいろなガラガラポンがあり、結果、CEOのまわりにイエスマンしか置かなくなるような、そんな人事になっていく。現在の会社は、確かにイオンの血がかなり入って、いい意味でのハイブリッド化が進んできていると思いたいが、実際に上役の人たちと付き合うなり話をすると、たまぁにずれたことを言う人もいた(横浜西口店(0239)勤務当時のY支配人とは、酒こそ酌み交わさなかったが、そこそこに話の分かる人ではあった/もちろん、今の上役すべてが「できない子」ではないと思いたいが、業績が芳しくないことを思うと、やはりレベルがここ10数年で落ちてしまったのか、と思わざるを得ない)。

非上場になったとはいえ、いまだに、数万人規模の従業員がいるダイエー。その大半が今やパートやアルバイトであり、正社員は、本社後方を含めて3割ほど。そしてそれを束ねる取締役は今やイオン系の人々…。
ダイエーが他社の軍門に下ることまで想定していなかったのは、この論者の「誤算」でもあるのだが、もちろん、そんな状況下でも救いがないわけではない。最後にこう締めくくっている。

 『エネルギーにあふれ、感受性が鋭い。刺激に対し素早く機敏に反応し、一体となって対応する。生きるとは何か(経営の意義)、どう生きるか(経営の手法)を常に問い、試行錯誤しながら自らを変え、世の中のしくみまで変えていこうとする。そういう組織の青春を取り戻すことこそダイエーにいま一番必要なことだろう。』(57ページ)