もうそろそろ「あまちゃん」だの「半沢」だので引っ張ることは、過去の栄光にすがって生きているようで、私自身としてもいい加減キリをつけたいところなのだが、この二つのドラマの比較をしてみたという記事があったので通読させてもらった。

これが元記事。連ドラ評論家・木村隆志氏によるもの

テレビという媒体が時代遅れにならない限り「連続ドラマ」が無くなることははっきりいってありえないので、この人、確実にくいっぱぐれることはない。ニッチな市場における評論家であり、大好きな「連ドラ」さえ見てこうやって寄稿すればそこそこの原稿料がいただけるのだから、ちょっとした洞察力と取材さえあればチョチョイのチョイってな感じ。書いてあることも「感想文」から逸脱しているとは思えず、考察も加えているとはいえ、素人はだしとまでは行かないのがいかんともしがたいところ。

当方は、1クールドラマだった「半沢」と「あまちゃん」は演出の方法がまったく違うこと(毎日見させるやり方と、一週間引っ張るやり方は異なっていて当然)、題材/時間帯も違うことなど、比較のしようがないと思っていたのでこの2ドラマを一つの土壌に上げることはしなかった。

ヒットの共通点としてあげている中にいろいろあるのだが、「これは違うだろ」と論破したくなる箇所がいくつもあったのでここではそれらをあげつらっていくことにする。
・【ヒットの法則2 視聴者を飽きさせない2部構成】
はい。あまちゃんは放送上の9月一ヶ月は、震災編といってもいい、アキが北三陸に戻るところがあるので厳密には「三部構成」(wikipedia記述では、東日本大震災発生が描かれる133話から最終話までは、「東京編・後半」と記述されている)。
・【ヒットの法則3 徹底して“引き算”した演出】
半沢の場合、確かに経済ドラマなので、「いろいろごちゃごちゃしてしまって散漫となる」要素の付加はマイナス要素になるのは分かる。「あまちゃん」は、この人の弁によると「明るさと笑いに注力した」としているが、ただの笑いではなく「くすぐり」といわれるこねたメインであり、むしろ瑣末な情報だらけで引ききってスリムだったかといわれるとそうでもない。
・【ヒットの法則8 固定ファンの多い枠】
一番疑問を呈したいのはここである。固定ファンが多い枠だからヒットした・・・。「月9」をこの人は知らないのだろうか・・・ここ最近は絶不調だし、「家政婦のミタ」の続枠はそれ以降ヒットしているわけではない。確かに日曜劇場は単一枠としては結構なロングランだが、必ずしもヒット作を出しているわけではない。朝ドラ枠にしても、おしんなどのお化け番組ばかりが輩出するとでも思っているのだろうか?ヒットしやすい枠ではあっても、ハズレ(大コケ)の作品はヒット作の数倍はある。視聴者の心は移ろいやすく、そもそもその枠でやっているものを無条件に迎合する視聴者のほうが気持ち悪い。勝ち馬=ヒット作に乗ってしまえとばかりに視聴率が集中する現象が起こったのが老舗枠だっただけのことである。

当方の反論も含めてこの方の意見を読んでもらうと面白い。
百人いれば百通りの意見。なるほどと思わせる部分も「違うんじゃねーの」と思う部分もある。これだから「連ドラ評論家」は辞められないのかな、とも思う。