映画館に足を運ぶ。
その昔は、非常に腰が重かったと記憶している。
それが証拠に、10数年もスクリーンに対峙してこなかったわけだし、また、血沸き肉躍る作品には出会えていない。晩年のジブリ作品は、あのヒダリマキ監督のせいで腐臭が漂い、最終作と言われる「風立ちぬ」でも、やりたいことが散漫としているだけにとどまらず、主人公にずぶの素人を配役するというミスをやらかし、一気に見る気が失せた。
映画断ちが長かったから、こつ然と現れた作品に心を奪われてしまったのか…「いや」。
今まで複数回同一映画を見ることなどほとんどなかった層が、2回/3回/10回/20回…3桁になんなんとする層もおり、極めつけは400回オーバーのこの方…。リピーターを生み出しやすい構図の映画とはいえ、二桁鑑賞が当たり前となってしまうような作品を新海氏は生み出せる能力があったということなのだ。本当に我々は、彼の力量を今まで過小評価しすぎだったと反省するしかない。
それにしても、今更ながらのこの人の「君縄愛」にはもう平伏するしかない。名取で行われたティーチインにも参加、もちろん銀座で行われている展示会にも。TOHOシネマズでの履歴ザッピング動画がほぼほぼ君縄だらけなのも笑ってしまう。
そこまで彼を突き動かしたものは何だったのか…公開終了したら、本当に一度対談の場を設けてお話ししたいところである。
7週連続劇場訪問がかかる3月19日。その週の金曜日で上映終了するTOHOシネマズ伊丹。系列シネコンで上映終了の告知を一番最初に出したのが2月の終わりで、その時は3/9終了予定。撤回は間違いなく「させられた」に等しいと思われるのだが、懲りずに2回目も出してきた。→公式サイト・劇場情報では、新規上映の追加はあるものの、終了告知に関してはしていない模様。そして「まさか」の3/24以降も上映するという話(ただし朝一なので、完全に用事はなくなったわ)
実質3万5000席程度しか設定されておらず、その大半が早朝やレイト枠/日に一回。「それだけ名作ならどんな時間帯でも見に来るよ、なぁ??」と観客を試しているかのような少しなめた時間・箱割。実際、記録もかかっているこの状況で、ここまで不遇な仕打ちもないものである。
ところが「終了する」からと開き直ったのか、伊丹は意外にも、300席クラスの当該シネコンでは大型の部類に入るスクリーンを提供(2番目の大きさ)。しかも何気にプレミアシート(追加料金不要)もある/しかも劇場のど真ん中www
ヨシッと、勇躍予約。仕事おわりだと、ギリギリ間に合うので、残務処理は偉い人に任せて電車に飛び乗る。
果たして、スクリーン4は、100人弱ながら、当方を狂喜乱舞させる内容。家族連れの大量の訪問である。当方試算では半数以上。よって、確実に平均年齢は下がる。中高年の来訪は数えるほど。若年層のカップル系もやや少なめ。ソロ客の比率も2割弱となる。男女比はやや女性優位に推移したが、左隣は男同士の親子。息子さんがかぶりつくように凝視していたのが印象的だった。平均年齢は、そんなわけで20代後半から30代前半に。
もう完全にルーチンワークになっている涙腺崩壊場面。そりゃ、この熱演だから「声優アワード主演賞をどっちも取るわ」と言いたくなる。もっとも、二人が二人とも声優が主戦場ではないだけに、若干微妙なことになってしまったりもしているのだが。まあ、声の出演=声優に限定される時代でもなくなってきているし、声優アワード上でもタレントなどが取っていることもありなので、まあ順当な選考と言える。
三葉が右手を握りしめむせび泣くシーン。「いつか消えてなくなる 君のすべてを この目に焼き付けておくことは」で上映終了を想起した私の涙腺が最終段階に…だが、直後の「一番かっこいい三葉」を見て、「もう権利なんかじゃない 義務だと思うんだ」で、私も立ち直れる。
だが本当にそろそろ「いつか消えてなくなる」その日が近づいてきていることは間違いない。事実、このシネコンではこの金曜日が最終上映日である。
時間帯や交通費を考えれば、敢えて伊丹まで足を延ばすことは普通の映画ならしていない。最後を見届けたいという思いが私を突き動かしている。完全に私の中で何かが蠢き、それに憑りつかれているかのようになってしまっているのだ。
ここまで魂をえぐられるかのような作品が今後出てくるのだろうか?場内が明るくなっても、余韻がすごすぎてすぐさま立ち上がれない自分に少しだけ驚く。そして、改めて、こう思う。
「私は、いや、日本国民は、とんでもない映画に巡り合ったのかもしれない」。
その昔は、非常に腰が重かったと記憶している。
それが証拠に、10数年もスクリーンに対峙してこなかったわけだし、また、血沸き肉躍る作品には出会えていない。晩年のジブリ作品は、あのヒダリマキ監督のせいで腐臭が漂い、最終作と言われる「風立ちぬ」でも、やりたいことが散漫としているだけにとどまらず、主人公にずぶの素人を配役するというミスをやらかし、一気に見る気が失せた。
映画断ちが長かったから、こつ然と現れた作品に心を奪われてしまったのか…「いや」。
今まで複数回同一映画を見ることなどほとんどなかった層が、2回/3回/10回/20回…3桁になんなんとする層もおり、極めつけは400回オーバーのこの方…。リピーターを生み出しやすい構図の映画とはいえ、二桁鑑賞が当たり前となってしまうような作品を新海氏は生み出せる能力があったということなのだ。本当に我々は、彼の力量を今まで過小評価しすぎだったと反省するしかない。
それにしても、今更ながらのこの人の「君縄愛」にはもう平伏するしかない。名取で行われたティーチインにも参加、もちろん銀座で行われている展示会にも。TOHOシネマズでの履歴ザッピング動画がほぼほぼ君縄だらけなのも笑ってしまう。
そこまで彼を突き動かしたものは何だったのか…公開終了したら、本当に一度対談の場を設けてお話ししたいところである。
7週連続劇場訪問がかかる3月19日。その週の金曜日で上映終了するTOHOシネマズ伊丹。系列シネコンで上映終了の告知を一番最初に出したのが2月の終わりで、その時は3/9終了予定。撤回は間違いなく「させられた」に等しいと思われるのだが、懲りずに2回目も出してきた。→公式サイト・劇場情報では、新規上映の追加はあるものの、終了告知に関してはしていない模様。そして「まさか」の3/24以降も上映するという話(ただし朝一なので、完全に用事はなくなったわ)
実質3万5000席程度しか設定されておらず、その大半が早朝やレイト枠/日に一回。「それだけ名作ならどんな時間帯でも見に来るよ、なぁ??」と観客を試しているかのような少しなめた時間・箱割。実際、記録もかかっているこの状況で、ここまで不遇な仕打ちもないものである。
ところが「終了する」からと開き直ったのか、伊丹は意外にも、300席クラスの当該シネコンでは大型の部類に入るスクリーンを提供(2番目の大きさ)。しかも何気にプレミアシート(追加料金不要)もある/しかも劇場のど真ん中www
ヨシッと、勇躍予約。仕事おわりだと、ギリギリ間に合うので、残務処理は偉い人に任せて電車に飛び乗る。
果たして、スクリーン4は、100人弱ながら、当方を狂喜乱舞させる内容。家族連れの大量の訪問である。当方試算では半数以上。よって、確実に平均年齢は下がる。中高年の来訪は数えるほど。若年層のカップル系もやや少なめ。ソロ客の比率も2割弱となる。男女比はやや女性優位に推移したが、左隣は男同士の親子。息子さんがかぶりつくように凝視していたのが印象的だった。平均年齢は、そんなわけで20代後半から30代前半に。
もう完全にルーチンワークになっている涙腺崩壊場面。そりゃ、この熱演だから「声優アワード主演賞をどっちも取るわ」と言いたくなる。もっとも、二人が二人とも声優が主戦場ではないだけに、若干微妙なことになってしまったりもしているのだが。まあ、声の出演=声優に限定される時代でもなくなってきているし、声優アワード上でもタレントなどが取っていることもありなので、まあ順当な選考と言える。
三葉が右手を握りしめむせび泣くシーン。「いつか消えてなくなる 君のすべてを この目に焼き付けておくことは」で上映終了を想起した私の涙腺が最終段階に…だが、直後の「一番かっこいい三葉」を見て、「もう権利なんかじゃない 義務だと思うんだ」で、私も立ち直れる。
だが本当にそろそろ「いつか消えてなくなる」その日が近づいてきていることは間違いない。
時間帯や交通費を考えれば、敢えて伊丹まで足を延ばすことは普通の映画ならしていない。最後を見届けたいという思いが私を突き動かしている。完全に私の中で何かが蠢き、それに憑りつかれているかのようになってしまっているのだ。
ここまで魂をえぐられるかのような作品が今後出てくるのだろうか?場内が明るくなっても、余韻がすごすぎてすぐさま立ち上がれない自分に少しだけ驚く。そして、改めて、こう思う。
「私は、いや、日本国民は、とんでもない映画に巡り合ったのかもしれない」。